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愛媛の酒の物語

400年の歴史を刻む、
酒どころ。

「酒どころ=寒冷地」というイメージがありますが、実は、愛媛県も酒どころです。「全国新酒鑑評会」では多くの蔵元が金賞を受賞するなど、全国トップレベルの酒造りの技術を誇ります。その起源は今から約400年以上前の戦国時代後期。慶長16年(1611年)には伊予の道後酒として名を成したとの記録が残ります。その後、全国的にも有名な越智郡杜氏、伊方杜氏など多くの技術者を輩出しました。その伝統と技術は脈々と受け継がれ、現在、愛媛県内には35の蔵元が存在します。そのほとんどの蔵が年間生産量180kℓ以下と比較的小さな規模で、昔ながらの伝統を守り丹念にお酒を醸し続けています。

四国山地の伏流水と
瀬戸内の幸が、旨い酒を育む

愛媛県には標高1,982mの西日本最高峰「石鎚山」を筆頭に、東西に連なる四国山地があります。南国にも関わらず、冬の間、四国山地には多くの雪が降り積もり、山里に向けては寒風が吹きすさぶ、酒造りに適した気象条件になります。また、名水「うちぬき」の水をはじめ四国山地からは豊富な伏流水が湧き出ており、その水で醸した愛媛の酒は、まろやかで奥行きのある味わいに仕上がります。
一方で旨い肴には旨い酒が欠かせません。愛媛県の面する瀬戸内海、宇和海から獲れる四季を通じた海の幸も、良質で旨い愛媛の酒を育んできた大きな要因の一つです。こうした気候風土に合った酒造りのために、県産米「松山三井」を醸造用米として育てるとともに、愛媛県の研究機関の協力の下、平成10年に独自酵母「EK-1」を、平成21年には念願の愛媛県独自の酒造好適米「しずく媛」を開発してきました。

主な愛媛県産酒米

しずく媛「より酒造りに適した特性を持つ愛媛県独自の品種を」との声に応え、初めて酒米品種として育成したのが「しずく媛」です。旨味があり、やわらかい酒質が特徴です。

松山三井 大粒で精米機にかけたときに砕けにくく精米歩合を極限まで高めたキレのある「淡麗辛口」な酒造りに適した愛媛原産の品種です。

えひめの酒は、いやし酒。

山と海に囲まれ平野が少なく急峻な土地が続く愛媛県は、東から東予、中予、南予に分かれます。独自の風土が根付き、気質も異なる3つ地域ではお酒も少しずつ異なります。東予は淡麗ですっきりとしたお酒。中予は淡麗で旨みのあるお酒。南予はどっしりとした味わいのあるお酒で、総じて愛媛の酒は、瀬戸内の白身魚を中心とした淡泊な食文化に合うよう、旨みがあり、なめらかさを感じるお酒であると言われています。何よりも災害が少なく、瀬戸内の穏やかな気候・風土の中、温厚な愛媛の人々が育んだお酒は、やさしい口あたりの安らぎを感じる「いやしのお酒」であると評判です。